警備の落札価格の相場は中央値466万円、半数は182万円〜1,104万円
国の機関が発注した警備業務6,264件の落札価格を小さい順に並べると、真ん中の値(中央値)は466万円でした。真ん中の半分は182万円から1,104万円の間に入ります。億円単位の大型契約に引っぱられないよう、平均ではなく中央値を使います。
価格帯では100万〜500万円が最も多く、全体の39%を占めます。1,000万円以上の案件も27%あります。
出典:調達ポータルの落札実績(詳しくは末尾)。割合は四捨五入のため合計が100%にならない場合がある。
金額の性格について 1万円未満の21件は月額や単価で登録されたものとみて相場から外しました。案件名に「R5-R9」のような年度の範囲があり複数年分をまとめた契約と読めるものは95件で、相場に含めています(除いた場合の中央値は470万円)。案件名に「単価」を含む139件は、金額が単価か総額かを区別していません。
種類別の警備の相場:常駐警備961万円、機械警備192万円
人が詰める常駐警備と、センサーで見守る機械警備では金額の桁が違います。案件名の言葉で分けると、常駐警備の中央値は961万円、機械警備は192万円で、約5倍の開きがありました。
機械警備の相場は中央値192万円、最多の1社が50%
事業者の顔ぶれも種類で違います。機械警備は最も多く落札した1社(セコム株式会社)が件数の50%を占めます。一方、常駐警備・交通誘導・巡回警備・駐車場の警備では、最多の事業者でも10%以下にとどまります(現金や書類を運ぶ警備輸送は、最多の1社が23%)。
| 種類(案件名の言葉) | 件数 | 中央値 | 最多の事業者の割合 |
|---|---|---|---|
| 常駐警備 | 274件 | 961万円 | 7%武田商事株式会社 |
| 交通誘導 | 230件 | 730万円 | 10%株式会社HOKUTO |
| 駐車場の警備 | 909件 | 328万円 | 6%株式会社ノア・ビルサービス |
| 巡回警備 | 168件 | 287万円 | 7%株式会社S2 |
| 機械警備 | 1,520件 | 192万円 | 50%セコム株式会社 |
| 警備輸送 | 381件 | 168万円 | 23%日本通運株式会社 |
1件の案件名に複数の言葉があれば、それぞれに数える。事業者は法人番号で数える。出典:調達ポータルの落札実績(詳しくは末尾)。
2026年の警備の落札価格は前年同期より中央値で15%高く、同じ仕事どうしでは6%高い
2026年1月1日〜10月27日に落札が決まった警備業務は570件、中央値は664万円でした。前年の同じ期間は601件・575万円で、件数は−5%、中央値は+15%です。
長い目で見ると、中央値は2015年の359万円から2025年の517万円へ上がりました。ただし、調達ポータルに落札実績が載る機関の数は全分野で2015年の25機関から2025年の43機関に増えており、全体の数字には顔ぶれの変化が混ざります。そこで、2015年から毎年警備の落札が載っている9機関だけでも比べました。この9機関でも中央値は336万円から398万円に上がり、2026年の同期比も+17%でした。ただし機関を絞っても、その年に出た案件の顔ぶれの違いは残ります。
2014年はデータが8月からのため除外。出典:調達ポータルの落札実績(詳しくは末尾)。
| 年 | 件数 | 中央値 | 9機関の件数 | 9機関の中央値 |
|---|---|---|---|---|
| 2015 | 257 | 359万円 | 251 | 336万円 |
| 2016 | 278 | 385万円 | 255 | 367万円 |
| 2017 | 400 | 382万円 | 321 | 354万円 |
| 2018 | 494 | 390万円 | 357 | 336万円 |
| 2019 | 498 | 441万円 | 372 | 407万円 |
| 2020 | 474 | 501万円 | 352 | 434万円 |
| 2021 | 534 | 482万円 | 375 | 363万円 |
| 2022 | 601 | 489万円 | 398 | 393万円 |
| 2023 | 794 | 426万円 | 485 | 346万円 |
| 2024 | 659 | 465万円 | 440 | 355万円 |
| 2025 | 670 | 517万円 | 420 | 398万円 |
| 202610月27日まで | 570 | 664万円 | 333 | 488万円 |
9機関は内閣府・総務省・財務省・国税庁・文部科学省・厚生労働省・国土交通省・気象庁・環境省。出典:調達ポータルの落札実績(詳しくは末尾)。
同じ警備の仕事どうしで比べた前年比
案件の顔ぶれの違いを除くため、前の年と両方で落札された同じ仕事だけで前年からの変化を数えました。2026年は216件で中央値+6.4%、上がった仕事が168件、下がった仕事が30件、同じ金額が18件です。全体の中央値の+15%との差は、その年に出た案件の顔ぶれの違いによるものと考えられます。
年ごとに並べると、2021〜2024年は中央値±0%〜+2.8%、2025年は+7.0%、2026年は+6.4%でした。ここ2年で、同じ仕事の値上がりの幅が大きくなっています。次の入札額を考えるときは、前回の落札額とこの幅(2026年の真ん中の半分は+1.9%〜+11.0%)が材料になります。下がった仕事もあり、必ず上がるわけではありません。
| 年 | 仕事の数 | 前年比(中央値) | 上がった | 下がった |
|---|---|---|---|---|
| 2016 | 74件 | +2.3% | 42件 | 23件 |
| 2017 | 100件 | +3.0% | 59件 | 25件 |
| 2018 | 142件 | +3.2% | 90件 | 37件 |
| 2019 | 158件 | +4.1% | 103件 | 36件 |
| 2020 | 157件 | +3.2% | 94件 | 39件 |
| 2021 | 173件 | ±0% | 76件 | 77件 |
| 2022 | 202件 | ±0% | 96件 | 80件 |
| 2023 | 203件 | +1.6% | 119件 | 69件 |
| 2024 | 222件 | +2.8% | 131件 | 70件 |
| 2025 | 239件 | +7.0% | 197件 | 34件 |
| 202610月27日まで | 216件 | +6.4% | 168件 | 30件 |
1年に2回以上の落札がある仕事は、別の場所・区分の契約が混ざるおそれがあるため除いた。出典:調達ポータルの落札実績(詳しくは末尾)。
警備の落札は2〜3月に集中する
落札が決まった月を2015〜2025年で数えると、2月と3月だけで60%を占め、5〜10月の6か月を合わせても6%です。秋の時点で見る「今年の数字」は、その年の落札の大半がすでに出そろった後の値ですが、11〜12月にも落札は続きます。
出典:調達ポータルの落札実績(詳しくは末尾)。
+27%
5年以上の記録がある警備の仕事 248件で、初回から直近までに落札価格が変わった幅(中央値)
東京の夜のビル街
5年以上続く警備の仕事は、初回から直近までに中央値で27%上がっている
当サイトは、同じ発注元が年度を変えて毎年出す仕事を束ね、価格の推移を追えるようにしています。警備業務のくり返しの仕事は400件です(1年に2回以上の落札があり、別の場所の契約が束ねられたおそれのある34件は除外)。そのうち5年以上の記録がある248件では、初回から直近までの変化が中央値で+27%でした。
5%を超えて上がった仕事は176件、5%を超えて下がった仕事は43件、その間が29件です。初回より高い金額で落ちている仕事が多数です。期間は仕事ごとに違うため、「5年で何%」という意味ではありません。
10年以上続く常駐警備の例
| 仕事 | 記録 | 初回 → 直近 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 令和8年度愛知労働局駐車場交通誘導及び常駐警備業務等委託契約厚生労働省・受注者の交代 3回 | 11年 | 6,950万円 → 8,160万円 | +17% |
| 令和8年度 七尾西湊合同庁舎の常駐警備業務国税庁・受注者の交代 2回 | 12年 | 215万円 → 356万円 | +66% |
| 令和8年度福岡合同庁舎常駐警備業務財務省・受注者の交代 1回 | 12年 | 4,380万円 → 6,819万円 | +56% |
| 出雲地方合同庁舎総合管理業務、清掃業務及び常駐警備業務国税庁・受注者の交代 0回 | 12年 | 996万円 → 1,744万円 | +75% |
| 令和8年度 小松日の出合同庁舎の常駐警備業務国税庁・受注者の交代 0回 | 12年 | 699万円 → 962万円 | +38% |
「記録」は同じ仕事の落札が確認できた年数。データが2014年は8月からのため、初回が2014年の仕事(年度の途中からの契約の可能性があり、初回の金額が小さく出る)は例から除いた。5年以上の仕事でこれに当たるのは2件で、除いても中央値は+26%。出典:調達ポータルの落札実績(詳しくは末尾)。
受注者が続けた回は前回比+3.9%、入れ替わった回は前回並みの落札価格
同じ仕事の前回と今回の落札価格を、受注者が同じだった回と入れ替わった回に分けて比べました(1年に2回以上の落札がある仕事は除いています)。
同じ会社が続けて落札した回1,593回
受注者が入れ替わった回450回
左端の縦線が「前回と同じ金額」。出典:調達ポータルの落札実績(詳しくは末尾)。
| 上がった | 下がった | 同じ | 真ん中の半分 | |
|---|---|---|---|---|
| 続けて落札1,593回 | 1,063回 | 342回 | 188回 | ±0%〜+9.3% |
| 入れ替わり450回 | 211回 | 231回 | 8回 | −5.6%〜+6.6% |
出典:調達ポータルの落札実績(詳しくは末尾)。
続けて落札した1,593回では、上がった回が1,063回、下がった回が342回で、上がる方に偏っています。入れ替わった450回は上がった211回・下がった231回とほぼ半々で、真ん中の半分も−5.6%〜+6.6%と上下に広がります。
気になる警備の仕事は、警備の入札公告・落札実績の一覧から探せます。各仕事の直近3回分の落札額と受注者は無料で見られ、全期間の推移は基本プラン(月780円・税込)でご覧いただけます。
参入しやすい警備の仕事の見つけ方:受注者の交代回数で分ける
くり返しの仕事400件を、これまでに受注者が替わった回数で分けました。一度も替わっていない仕事が200件ある一方、3回以上替わった仕事も67件あります。交代の多い仕事は、入札のたびに別の会社が勝つことのある仕事です。新しく入る余地を探す手がかりになります。
| 受注者の交代 | 仕事の数 | 記録の平均 | 5年以上続く仕事の初回→直近(中央値) |
|---|---|---|---|
| 0回 | 200件 | 5.3年 | +16%100件 |
| 1回 | 73件 | 5.4年 | +31%38件 |
| 2回 | 60件 | 6.7年 | +40%44件 |
| 3回以上 | 67件 | 8.9年 | +30%66件 |
記録が長い仕事ほど交代の機会も多いため、交代回数と記録の長さは重なっている。1年に2回以上の落札がある仕事は、別の場所の契約が交互に並んで交代が見かけだけ多く出ることがあるため除いた。出典:調達ポータルの落札実績(詳しくは末尾)。
交代0回の仕事でも、初回から直近までの値上がりは中央値で+16%と、交代のある仕事より小さめでした。ただし記録の長さや仕事の種類の違いが混ざっており、「同じ会社が続けると値上がりが小さい」とまでは言えません。
受注者の交代が多い警備の仕事
| 仕事 | 記録 | 交代 | 初回 → 直近 |
|---|---|---|---|
| 令和8年度松戸公共職業安定所野田出張所駐車場等警備業務委託厚生労働省・受注した会社 3社 | 12年・12回 | 7回 | 332万円 → 454万円 |
| 函館開発建設部本部 庁舎警備国土交通省・受注した会社 4社 | 10年・10回 | 6回 | 600万円 → 850万円 |
| 令和8年度千葉公共職業安定所合同庁舎駐車場等警備業務委託厚生労働省・受注した会社 4社 | 10年・10回 | 6回 | 1,311万円 → 1,900万円 |
1年に2回以上の落札がある仕事は除いた。出典:調達ポータルの落札実績(詳しくは末尾)。
受注者が一度も替わらず長く続く警備の仕事
| 仕事 | 記録 | 受注者 | 初回 → 直近 |
|---|---|---|---|
| 出雲地方合同庁舎総合管理業務、清掃業務及び常駐警備業務国税庁 | 12年・12回 | 太平ビルサービス株式会社 | 996万円 → 1,744万円 |
| 令和8年度各労働基準監督署及び各公共職業安定所等機械警備業務委託契約厚生労働省 | 12年・12回 | セコム株式会社 | 372万円 → 272万円 |
| 令和8年度大阪労働局における機械等警備業務委託厚生労働省 | 12年・12回 | セコム株式会社 | 1,676万円 → 2,347万円 |
単価契約は金額の性格が違うため例から除いた。1年に2回以上の落札がある仕事も除いた。出典:調達ポータルの落札実績(詳しくは末尾)。
発注元ごとの警備の落札価格
警備の落札件数が多い事業者:上位10社で31%
警備業務を落札した事業者は、法人番号で数えると520社、会社名で数えると509社です(社名の変更や表記の揺れで数が変わります)。上位10社の件数は全体の31%で、残りの約69%をほかの事業者が分け合っています。大手警備会社のグループの地域会社は、別の会社として数えています。
| 順位 | 事業者 | 落札件数 |
|---|---|---|
| 1 | セコム株式会社 | 901件 |
| 2 | ALSOK株式会社 | 272件 |
| 3 | 首都圏ビルサービス協同組合 | 197件 |
| 4 | 日本通運株式会社 | 92件 |
| 5 | 株式会社KSP・WEST | 86件 |
| 6 | 株式会社ノア・ビルサービス | 81件 |
| 7 | ニューライフ警備保障株式会社 | 79件 |
| 8 | NXキャッシュ・ロジスティクス株式会社 | 79件 |
| 9 | 株式会社イー・アール | 70件 |
| 10 | キョウワセキュリオン株式会社 | 64件 |
法人番号ごとに数える。出典:調達ポータルの落札実績(詳しくは末尾)。
警備の入札方式は99%が最低価格の一般競争入札
99%警備業務の99%は「一般競争入札(最低価格)」で決まっています。参加の条件を満たした会社のうち、予定価格の範囲内で最も安い金額を出した会社が落札する方式です。価格と技術の両方で選ぶ総合評価方式は31件にとどまります。過去にいくらで落ちたかは、入札金額を決めるときの直接の材料になります。
警備会社が国の入札を始める手順
制度として決まっていることに絞ってまとめます。細かな条件は案件ごとの入札説明書で確かめてください。
- 警備業の認定を受ける警備業を営むには、主たる営業所のある都道府県の公安委員会の認定が必要です(警備業法)。機械警備を行う場合は、別に公安委員会への届出が要ります。
- 全省庁統一資格を取る国の機関の入札の多くは、全省庁統一資格を参加の条件にしています。警備業務は「役務の提供等」に当たり、申請は調達ポータルから行います。審査で等級(A〜D)が決まり、案件ごとに参加できる等級が指定されます。
- 入札公告を探す公告は調達ポータルや各機関のサイトに出ます。当サイトの警備の入札公告・落札実績の一覧でも新しい公告を確かめられます。
- 同じ仕事の過去の落札額を確かめる前回の金額と受注者、交代の有無を見て、入札金額の目安をつけます。調べ方は入札の落札価格の調べ方にまとめています。
- 入札説明書の条件を確かめて申し込む資格の等級・地域の条件、配置する警備員の資格、提出書類と締切を確認します。
この分析の限界
- 警備業務かどうかは案件名の言葉で分けています。除外の漏れや、残すべき案件を外した例が残っている可能性があります。
- 落札価格には月額・単価・複数年分の総額が混ざります。1万円未満は外しましたが、それ以上の金額の性格は区別できていません。
- 予定価格・落札率・入札に参加した会社の数は、元のデータに含まれません。
- 警備員の人数や時間など、仕様の変化は分かりません。同じ仕事の値動きには仕様の変更が含まれることがあります。
- 年ごとの数字は、調達ポータルに載る機関の増減の影響を受けます。
- くり返しの仕事は、案件名と発注元で束ねています。1年に2回以上の落札があるものは除きましたが、1年1回でも別の場所の契約が混ざっている例が残っている可能性があります。
警備の入札についてよくある質問
- 警備会社が国の入札に参加するには、何が必要ですか?
- 国の入札の多くは「全省庁統一資格」を参加の条件にしています。警備業務は資格の種類のうち「役務の提供等」に当たります。あわせて、警備業を営むには主たる営業所のある都道府県の公安委員会の認定が必要で、機械警備を行う場合は別に届出が要ります。案件ごとの条件(資格の等級・地域など)は入札公告で確認してください。
- 2026年の警備の落札価格は上がっていますか?
- 2026年1月1日〜10月27日に落札が決まった警備業務の中央値は664万円で、前年の同じ期間(575万円)より15%高くなっています。ただしこの差には案件の顔ぶれの違いが混ざります。同じ仕事が前年と今年の両方で落札されたもの(216件)どうしで比べると、前年比の中央値は+6.4%で、上がった仕事が168件、下がった仕事が30件でした。
- この記事の金額は税込みですか?
- 調達ポータルが公開している落札価格をそのまま使っています。税込み・税抜きの扱いは発注元によって異なる場合があります。
- 「くり返しの仕事」とは何ですか?
- 同じ発注元が、年度だけ変えて毎年出している仕事を当サイトで束ねたものです。仕事のページは1年に2回までの落札を同じ仕事として残していますが、この記事では1年に2回以上の落札がある仕事(別の場所や区分の契約が混ざるおそれがあるもの。34件)を、価格の推移と受注者の交代の集計から除いています。
- 都道府県や市町村の警備の入札は含まれていますか?
- 含まれていません。元のデータは調達ポータル(デジタル庁)が公開している国の機関の落札実績です。予定価格や落札率も公開データに含まれないため、この記事では扱っていません。
気になる警備の仕事の、過去の落札価格を調べる
仕事ごとに、直近3回分の落札額と受注者を無料で見られます。全期間の推移は基本プラン(月780円・税込)です。追いたい言葉を登録すると、新しい入札公告をメールでお知らせします。